今回の記事では、「チミケップホテル」滞在時のメインイベント、「レストランでのディナー」のレポートをお届けします。
渡辺賢紀シェフについて
チミケップホテルのシェフは渡辺賢紀(わたなべまさき)シェフです。
渡辺シェフの経歴は以下の通り。
フランス(リヨン) オーベルジュ ドゥ・リル
アメリカ(ナパバレー) フレンチランドリー
スイス(ローザンヌ) ボーリヴァージュパレス
アメリカ(サンフランシスコ) ベニュー
フランス、アメリカ、スイスで修行したのちに、サンフランシスコの現三つ星レストラン「ベニュー」で、副料理長(スーシェフ)を務めていたとのことです(在籍当時は二つ星)。
サンフランシスコの「ベニュー」の副料理長という肩書を持って、日本に帰国するとなると、大都市を中心に様々なオファーが舞い込んでいたと思われます。しかし、渡辺シェフは、北海道の奥地(?)にある「チミケップホテル」を次の勤務地として選んだのです。
そして、当然と言えば当然なのですが、渡辺シェフが「チミケップホテル」で提供する料理が、非常に美味しいと評判を呼んでいるのです。
このエピソードを聞いて、「美味しいものの為なら、どこまでも」精神が盛り上がってしまい、早速スケジュールを調整して、女満別空港便とチミケップホテルでの滞在を予約しました。
「食材の宝庫北海道の秘境で、ミシュラン星付きレストランでスーシェフを務めたシェフが腕を振るう料理を食べることが出来る」
これは、旅に出る理由としては、十分ではないでしょうか?
ちなみに、「チミケップホテル」のレストランは、ミシュランガイド北海道2017特別版で一つ星を獲得しました。
ディナーについて
「チミケップホテル」のディナーは3コースからの選択となります。
<ディナー3コース>
・ヴォウィヤージュ:約5品、8,640円、料理少な目のライトなコース
・オマージュ:約6品、10,800円、スタンダードなコース
・スペシャリテ:約7品、14,040円、スペシャリテのコース
<ディナーのスタート時間>
18時~19時の間
「オーベルジュ」ですので、宿泊が基本ですが、事前予約で食事のみの利用も可能です。
それでは早速今回頂いたコース「スペシャリテ」のレポートをお届けします。
コース「スペシャリテ」レポート
(アミューズ)
バジル、パクチー、 セロリなどの4種類のハーブを使ったフリット。まずはさっぱりと、というお味。
そして、いよいよコースの始まりです。まずは、常呂産ホタテ、白ナスのソース、様々なトマト。
こちら、写真では分かりづらいですが、赤いトマト、緑のトマト、ドライトマト、など様々な種類のトマトが入っていて、青い矢印が全てトマトです。そして、ジュレもトマトのジュレなんです。
これら様々なトマトの味わいと白ナスのソース、地元産のホタテが絶妙ハーモニーを奏でる素晴らしい一品でした。
続いて、十勝産短角牛のトウガラシ(肩の部分のお肉)、あかうしのジュレ、カボチャのムース、底にどんぐりが入っていました。
牛肉とジュレ、そしてカボチャのムースの組み合わせが素晴らしく、また底のどんぐりもアクセントとなっており、素晴らしいお味。
アミューズの後の2品で、「チミケップホテル」を訪れて良かった、、、と確信。本当に素晴らしかったです。
自家製のパンも、しっとりとして美味でした。
続いて、知床鶏の胸肉と蝦夷豚のモモ肉のパテ、フォアグラとマンゴーのソース。
根室産オヒョウ(畳1畳ほどの大きなカレイ)、パプリカ、イカ墨のソース。
オヒョウは非常に臭みがあるそうなのですが、水分と臭みを1週間掛けてじくり抜く処理をするそうです。パプリカとの組み合わせが美味でした。
2種類目のパンはミニ食パン。こちらも美味でした。
芽室産仔牛、黒ニンニクソース。白い部分はリゾット、その上にオプションのイタリア産黒トリュフ(+1,500円)。
お肉はしっかりお肉の味が楽しめました。そして、リゾットにたっぷり乗せて頂いたトリュフとのマッチングは、やはり最高でした♪。
デザート
興部町ナチュラルチーズ、ミモレチーズ、黒松内町ブルーチーズ、長沼町産ルバーブのジャム、雑穀とドライフルーツのパン。
オリーブオイルとダッタン蕎麦のブランマンジュ。スパイシーなオリーブオイルで面白いお味でした。
そして、こちら。まったくインスタ映えしませんが、泡立てたココアが、白桃、ココナッツなどにかかっています。
甘すぎない味で美味しかったです。
最後はキャラメル、レモン、ほうじ茶のプチデザート、とコーヒー。
アミューズの後の2品が本当に素晴らしく、その後のメインまで北海道産の食材を使った素晴らしい料理の数々にすっかり幸せな気分になりました。
フルコースの分量でも大量で食べきれないという事はなく、ゆっくり楽しむのにちょうどよい分量だったと思います。
ちなみに、コースの違いですが、スタンダードコースとスペシャリテコースだと「十勝産短角牛のトウガラシ」の料理、チーズの盛り合わせ、デザートが少ない、という違いでした。「十勝産短角牛のトウガラシ」の料理は、とても美味しかったので、やはりコース「スペシャリテ」がお勧めだと思います。
ドリンクメニューについて
美味しいフレンチのフルコースを頂けるということで、もう一つのお楽しみ、ドリンクのラインナップも気になるところですよね。
乾杯のグラスシャンパン(ヴーヴ・ド・ノーザック・シャンパーニュ・ブリュット)で1,500円、グラスワインも1,500円~という相場でした。
ちなみに、高級ワインを是非楽しんでほしいとのことで、高級ワインのボトルを比較的お安く提供しているようです。(画像は赤ワインのラインナップ)
勿論、ビールや日本酒、ノンアルコールも有りますので、ご安心を。
朝食について
素晴らしいディナーを頂いた後の朝食ですので期待してしまうところですが、朝食は渡辺シェフは関わっていない、スタンダードな「和定食」となっています。
どれも普通に美味しいのですが、昨晩の素晴らしすぎるディナーと比べてしまうと、贅沢な話ですが、少し普通だなと感じてしまいます。
これは、ディナーが豪華なので、朝食は和食で普通に食べたい、という宿泊客の声も多かったとことに対応したものでもあるとのこと。
そういわれると、確かに、朝から凝った洋食、というのも疲れるかもしれませんね。
そして、朝ごはんの時間の見所は、近くのシマリスがテラスを訪れての、もぐもぐタイムを見ることが出来ます。癒されますよね。
そのもぐもぐタイムに、最近はどこからともなく鳩も参戦してきているとのことで、シマリスと鳩の朝食を巡るバトルがかわいかったです。
まとめ
ということで、今回は「チミケップホテル」のディナーと朝食のレポートをお届けしました。
チミケップホテルでのディナーは、本当に素晴らしく、 このディナーを食べるためだけに宿泊する価値は確かに有ると思いました。コース「スペシャリテ」は、14,040円/人 ですので、決して安くは無いですが、この環境でこのレベルの料理を食べる金額と考えると、むしろコストパフォーマンスは良いと感じました。
宿泊費は、1泊2食付き、2名利用で1名2万数千円〜3万円前後、2名で4万円代〜6万円前後(宿泊費はシーズンによる変動)となります。
決して安く無い料金になりますが、部屋は前回の記事の通り、普通のビジネスホテルという雰囲気です。したがって、とにかく「美味しいディナー」を食べる、ということに特化したホテルという事は認識しておく必要が有ります。(それが、オーベルジュということなのですが、、、)
チミケップホテルでの滞在は、
「何にもないけど、素晴らしい環境でのんびりできて、とにかく美味しい料理を食べる事が出来る。」
ということに尽きます。レストランだと、食べ終わった後に移動する必要が有りますが、ここは「オーベルジュ」ですので、そのまま宿泊出来るのも良いですよね。これらに魅力を感じる方は、是非宿泊を検討してみて下さい。
以上、次は冬の時期に訪問して、凍ったチミケップ湖を歩きたい、ためたろうでした。