マイルミチ

旅と食事とそのキロク。

(福島:いわき)「HAGIフランス料理店」で福島県産食材の底力を堪能する。

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福島県いわき市にひっそりと佇む隠れ家のようなレストラン。萩(はぎ)シェフ のフレンチなので、HAGIフランス料理店。シンプルな名前にシェフの強い思いを感じるこちらのお店では、素敵なフレンチを頂くことが出来るのです。

 

このレストランで使う食材は福島県の食材のみ。いくら食材豊富な福島県とはいえ、フレンチのコースを賄う食材を集めるとなると、相当な時間と手間が掛かることは容易に想像できます。ただ食材を入手すればよいわけではなく、収穫されたものの中から美味しい食材を入荷出来る信頼関係の構築、その食材を最高の状態で提供する試行錯誤も必要となります。究極の「地産地消」、その膨大な手間の上に構築された生産者の方々との絆が、料理として一品、一品提供されているのです。

 

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着席するとシンプルで美しいセット。カトラリーはこの3つが固定で使ったものを順次交換していきます。

 

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コースに入る前に、本日の食材の一部が披露されます。まず、丸々と大きなメヒカリに驚きます。メヒカリと言えば、福岡の「天麩羅処ひらお」で「宮崎県延岡産」が提供されており、そのイメージが強かったのですが、大きさが全然違ってびっくり。そして、鮑に伊勢海老(!)まで獲れるという福島県の海の豊かさ。そして桃とパッションフルーツも。

 

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今回楽しみにしてきた「短黒牛(たんくろぎゅう)」。短角牛と黒毛和牛の交配種で、短角牛自体も国産の1%と貴重な種ですが、短黒牛はそこからさらに0.1%という超貴重な種なのです。見た目も美しい肉に、期待が高まります。 今日の部位はミスジとのこと。

 

それでは、コースを頂きます。

 

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<雲丹、ジュンサイ、川俣シャモコンソメ>

裏磐梯で日本一と言われているジュンサイ。ジュンサイってこんな味だったっけ?と驚きます。そして、勿論美味しい殻付き雲丹。やっぱり雲丹は良質の殻付きに勝るものなし。合わせて福島が誇る地鶏川俣シャモのコンソメ。添えられたフィンガーライムも一粒一粒の味がしっかりしており、すごいです。一品目から心鷲掴みにされました。

 

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<グリンピース、ズワイガニ>

100km離れた福島市でシェフが今朝獲ってきたというグリンピース。食べたことのない甘みとフレッシュさ。その日に食べないとこの甘みは出ないとのこと。贅沢です。ビーフンの下には、ズワイガニ。このズワイガニも蟹の旨味が感じられ、美味しいもの。

 

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<アサリ、空豆>

特大のアサリを選別し、アサリのエキスをガストロバックしたもの。ガストロバックは鹿児島から京都へ移転した「CAINOYA」で頂いて以来。空豆のアイス、スイートコーン、アサリとワインを煮込んだソース、と混然一体となり、エキスが詰まったアサリがすごい。

 

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<海苔、伊勢海老、福島魚のコンソメ>

福島で「伊勢海老」が獲れるということに驚くと共に、レアで提供された「伊勢海老」の旨味を感じながら、ノドグロとスズキの茶わん蒸しと共に。福島の海の豊かさ、旨味を感じる一品です。

 

 

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<カツオ、なす、フェンネル>

 戻りカツオ。新鮮で臭みの無いモチモチとした食感が素晴らしい。茄子のソース、フェンネルと一緒に食べて、夏を感じる一品。

 

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<桃(昴紀)、キャビア>

ここでお口直し。福島県古山果樹園の桃「昴紀」。この時期福島に来たからには旬の桃を食べたかったのですが、最高の品を食べることが出来ました。甘味はもちろん素晴らしいのですが、酸味もちゃんとあって、しかもキャビアと合わせて食べるという贅沢。

 

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<メヒカリ、若芽>

 ここで特大のメヒカリ登場。食べた瞬間あふれ出すスープ。メヒカリってこんな味なんですね。ワカメを使った海を感じるソースと共に。

 

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<アワビ、ズッキーニ、紫キャベツ>

福島近海の鮑。鮑の胆まで使ったソース、ズッキーニ、紫キャベツ、ハーブそれぞれも素晴らしく、鮑と合わせて満喫。

 

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<福島小麦>

ここでパンが登場。結構後半ですね。パンが出てくること忘れてました。こちらも、もちろん福島県産小麦を使った、自家製パン。モチモチで美味しい。

 

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<ジャージー牛乳>

バターも自家製。福島県のジャージー牛の牛乳を100kg使って4kg出来たというバター。旨味の詰まった美味しいバターでした。 

 

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<短黒牛>

 お待たせしました。メインの短黒牛です。一口食べれば、はい、幸せ。外はカリカリ、中はネットリ旨味が詰まった絶妙な火入れ。一瞬熟成肉?という濃厚な旨味と肉質でしたが、4日しかたっていないとのこと。短黒牛、恐るべし。さわやかなブラッドオレンジの付け合わせと、野菜と共に。

 

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<とうもろこし>

 コーン!という味わいの濃い、コーンアイス。コーンアイスは好きなので、テンション上がる。(いや、どの料理も素晴らしく、テンション上がりっぱなしです)

 

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<糀、ひめこなつ、パッションフルーツ>

デザート2品目。福島県古山果樹園の桃「ひめこなつ」の甘味とパッションフルーツの酸味でさっぱりとしつつ、糀の甘味が、デザートを食べているという満足感を与えてくれる一品でした。

 

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<After-meal drink>

 さいごのシメはこちら。自家製のお菓子の数々。コーヒーと共に素晴らしいコースの余韻を楽しみながら。

 

いやーとにかくどれもこれも印象深く、鮮烈で、記憶に残るものばかりでした。今こうして写真を見ていても、味が鮮明に思い出せます。これは凄いことかと。

 

福島県産に拘ったメニューでしたが、福島県で獲れるの?と驚く食材も多かったですし、しかもどれもこれも美味しくて、もっと驚きました。
シェフ自身が県内の食材を探して仕入れていますので、一品一品にストーリーを感じることが出来ますし、ここでしか食べる事が出来ない料理、ここに食べに来る価値が有ると思います。東京、大阪でお金を出しても絶対に食べる事が出来ない素晴らしい料理だと思いました。

 

 「HAGIフランス料理店」のコースは昼夜共通で、15,000円(今回はこちら)と18,000円の2種類。アルコールペアリングが7,500円、3グラスが5,000円、ノンアルコールペアリングが5,000円、です(全て税サ別)。完全予約制で、元々は一組のみでの営業でしたが2019年1月から複数組の予約も受けるようになっています。

 

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お店のロゴも家紋を使って、カッコいい。あ、料理の盛り付けも、写真に撮った時の美しさも素晴らしく、シェフのセンスが素晴らしいな、と思った次第。

 

次はいつ「いわき市」を訪れよう。帰り道にはそんなことを考えていた、素晴らしい料理でした。

 

あ、そういえば、最後のコーヒーの豆は福島県産だったのかなぁ?ここまで拘っているのでそんな気もしますが、次回訪問時にシェフに確認してみよう。

 

それでは、また。次回の美味しいお店でお会いしましょう。 

 

【HAGIフランス料理店(萩フランス料理店)】

住所:福島県いわき市郷御台境町鬼越171-10

アクセス:タクシーなど

営業時間:ランチ12時~、ディナー18時30分か19時~ 

定休日:無し

TEL:0246-26-5174

予約:完全予約制(電話もしくはPocketConcierge)

Webページ:http://hagi-france.com/